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物理特性

物理特性

一般的寸法公差

フェライトマグネットの製造工程は、ちょうどせともののそれと似て居り、原料を粉末成型した 後、高温でゆっくりと加熟して焼結させます。この時の体積収縮率が実に30%を超える為、寸法的なばらつきや歪はある程度避けられません。従って高精度が要求される場合は、 後加工により仕上げることになります。フェライトマグネットは材質的に硬くて脆い為、通常GC砥石やダイヤモンド砥石により研削されますが、 要求精度が厳しくなるにつれて、後加工が高価になってしまいます。一般的な寸法公差を参考にして、これを基準にマグネットを設計される様おすすめします。

C型(割型)マグネット
項目 加工 公差
A 研削 ±0.1
B 研削 B以上又は±0.15
C 切削又は研削 ±0.15
未加工 ±0.02C又は±0.3の大きい値
D 切削 ±0.2
未加工 ±0.02D又は±0.3の大きい値
E 研削 ±0.2
F 切削 ±0.15
未加工 ±0.03F又は±0.3の大きい値
等方性 異方性
寸法 未研削 (1)内径
外径
長さ
基準寸法の±1.0%
または±0.2mmで、
値の大きい方を適用
基準寸法の±2.0%
または±0.5mmで、
値の大きい方を適用
(2)高さ
厚み
15未満 ±0.4mm 原則として研削
15以上40未満 ±0.8mm
(1)平面研削
高さ
厚み
25未満 ±0.1mm
25以上 ±0.15mm
研削 (2)内径
外径
50未満 ±0.1mm
50以上 ±0.15mm
(3)R面 25R未満 ±0.2mm
25R以上 ±0.4mm
平行度 研削 2平行面公差の1/2以下
ソリ 未研削 ソリ方向長さの1.5%以内

磁石別比較表

磁石には様々な種類と特徴があり、長所と短所が特性によって別れます。大きく分けて、希土類磁石・酸化鉄磁石などの原料によって、或いは焼結磁石・ボンド磁石など、製法によって大別されています。それぞれの材質の磁石は、磁気特性によって測定数値化し、等級が分けられ、材質等級とも呼ばれています。一般的に数値が高い程、優れており、低い程、劣ります。
磁石を選定する上での判定、判断基準は、これら数値化された磁気特性値によって決める事ができます。ここでは磁石の種類を、優・良・可・劣・不可、のように優劣を表記し、メリットとデメリットを、簡易判断できるようしています。

それぞれの材質の特徴と違いは、大まかに以下の様に考えられています。

  • ネオジム磁石:強力だが、錆び易い。
  • サマリウムコバルト磁石:耐熱だが、高額。
  • フェライト磁石:安価だが、欠け易い。
  • ボンド磁石・ラバーマグネット:軟性だが、熱で変形する。

この比較表を基に、用途・目的・環境・予算によって、適した磁石を選定する事が可能です。製品を設計する上で、更に詳細な磁石の適性については、其々の磁石の、磁気特性表を参照し、選定、設計してください。

成形 製法 配向 磁石 サイト内の特性表へ
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磁気特性 温度特性 機械特性 腐食性 希少性
磁力 耐熱 耐冷 硬度 耐水 価格
焼結 圧縮 湿式 異方性 湿式 異方性フェライト /ferrite/spec
乾式 等方性 乾式 等方性フェライト /ferrite/spec
異方性 乾式 異方性フェライト /ferrite/spec
乾式 異方性 ネオジム /ndfeb/spec 不可
サマリウムコバルト /smco/spec
ボンド 射出 等方性 射出成型
等方性フェライトボンド
/plastic/spec
異方性 異方性フェライトボンド /plastic/spec
等方性 等方性ネオジムボンド /plastic/spec
異方性 異方性サマ鉄窒素 /plastic/spec
圧縮 等方性 圧縮成形
等方性ネオジムボンド
/plastic/spec
圧延 異方性 異方性ラバーマグネット /rubber/spec
鋳造 等方性 アルニコ /alnico/spec